· 

シュタイナー教育ってなに?

 シュタイナ教育とは、とおもったらウィキペディアでも見ていただければと思うのですが、なにせ小難しく書いてありますので、ザクっと知りたいなという方のために、稚拙ながらアウトラインを描いてみたいと思います。

 

シュタイナ教育とは現在のクロアチア、当時のオーストリア出身の変わったおじさん^^ルードルフ・シュタイナがタバコ工場の社長だったエーミール・モルトらとともに1919年にドイツ・シュツットガルトで設立した学校から始まった学校のムーブメントです。

 

世界的には1970年代から加速的に世界に広がり、現在中国でもかなりのスピードで学校が開講しているのもあり2018年で2000校を数える程になっています。

 

日本でも1970年代に子安美知子さんの「ミュンヘンの小学生」が多くの方に読まれ多くの関心を呼び、1987年に日本で初めてのシュタイナー学校がとても小さい形で始まりました。

 

現在では一般社団法人日本シュタイナー学校協会が設立され、一定の認証基準が国際的な基準に基づき出来ています。2019年現在、正規校が北海道、関東、中部、関西、九州に7校あります。

 

正規校以外にも宮城、千葉、和歌山、鹿児島に学校があります。

 

学校のユニークな点は、まず独自のカリキュラムによる授業。シュタイナ教育を学んだ教員が1年から8年生まで一貫して担任を受け持ちます。授業も日本の公教育のようなコマ割りの授業のような形でなく、エポック授業と呼ばれる横断的な授業が午前中の大きな部分を占めて、同じ題材を1-2週間集約して授業がなされます。

 

シュタイナ教育は教育芸術とも呼ばれます。教育とは自己教育に他ならないとの考えから、ひとり一人の子どもが学ぼう、育とうとするところをどう育むか。何か決まった方向性に教育を施すのでなく、ひとり一人それぞれの人間性を尊重しつつ、先に生きる者としてどのように子どもたちの成長をサポートし鼓舞するか、答えのない仕事として、一つの芸術として捉えています。こういった教育の背景にはルードルフ・シュタイナが物し語った、膨大な世界観がバックボーンとなっています。

 

こう言った膨大なバックボーンが仇となって、教条的になったりカルト的になることもあり、批判も多い教育です。そういったマイナス面を踏まえても世界的な広がりは力強く、既存の国家が提供する公教育の至らなさを残念に思う子ども、大人から大きい指示を受けています。

 

その魅力の一つが、自立した学校運営です。教育的な部分は教師による教師会がイニシアティブをもち、学校運営は教師、保護者を中心とした運営会によって学校運営されています。公教育の学校長のような存在は基本的にはありません。一人一人の教員、保護者が一人一人の責任の元、関わり、学校を営みます。

 

ここも運営の至らなさという大きなマイナスポイントを生み出しますが、それを上回るひとりひとりの意欲的な関わりによって営まれています。公教育だとPTA活動などはネガティブな情報に溢れていますが、シュタイナー学校はこのあたりはポジティブな部分が多い。意欲的な保護者の方にはとてもフィットする学校だと思います。親の方が子ども以上に一生懸命みたいな本末転倒みたいなことにもなりそうですが、それにしても大人が子どもの教育にしっかり関わって行くのはとてもポジティブなことです。個人的な印象ですが、シュタイナ学校は、ひとりの子どもに関わる大人の厚みが本当に豊かです。

 

世界的な教育ムーブメントなので海外のシュタイナ教育活動とも連携があり、子どもも大人もとても国際色の豊かな環境を迎えています。1年生から外国語の授業もあり、一般的には英語と第二外国語を学ぶケースが多いようです。

 

卒業生には教育芸術を標榜する教育だけあり、様々なタレントをもった卒業生を排出しています。有名なところで言えば、斎藤工さん、村上虹郎さん、海外ではミヒャエル・エンデ、女優のサンドラブロックさんらも卒業生です。

 

また、シリコンバレーでIT企業で働く方がお子さんをシュタイナ教育やモンテッソリー教育に通わせるというのはよく聞かれる話になりました。画一的で旧態然な公教育の内容では将来性をよく育めないことを変化の激しいIT企業の世界で働く保護者さんは実感されているのかもしれませんね。

 

日本ではこれから世界トップクラスの少子化高齢化社会を迎えます。税収減が簡単に予測できる状況で公的な教育サービスの劣化は否めません。そんな時代に教員・保護者が力を合わせて子どもの環境を作る教育というのはとてもニーズがあるんだろうなと思います。