教員養成講座について

シュタイナー教育の基礎を学ぶ

 

 本講座は、全日制の教員養成講座を行うことが難しい日本の状況の中で、出来るところから始めようと、1994年に開設されました。今期で第10期を迎え、日本語で受講できるシュタイナー教育の基礎を学ぶ講座としては、多くの卒業生を輩出し、多くの方々が全国各地でその学びを実践に活かしています。

 このシュタイナー教育教員養成講座では、下記の三つを柱にカリキュラムを組み、2年で30日間の講座を開催します。

 

  • ルドルフ・シュタイナーが提唱した人間観・世界観の基礎
  • シュタイナー学校の教師による教授法等のセミナーや様々な芸術体験
  • シュタイナー教育を社会の中で実践するための基礎的な知識

 現在、全国に10校程度あるシュタイナー学校の教員を目指す方々はもとより、土曜クラスや公立・私立学校の教育現場など、この講座での学びは各方面での実践に生かされています。またそれぞれ受講者の方がシュタイナー教育のエッセンスをヒントに、活動を広げていらっしゃいます。

 そのような方々がこの講座で出会い、新たな世界を切り開く力が生まれることも、この講座の目指すところです。

 

 ※本講座は時間の制約上、海外の全日制の教員養成等に匹敵するものではなく、教育の基礎と本質を学ぶものです。修了時に上記の課程の修了を証明する修了証が、普遍アントロポゾフィー協会教育部門(スイス・ドルナッハ)との連名で発行されます。修了に際しては、一定の出席数、レポートの提出が必要です。今年から始まるシュタイナー学校協会主催の”連携型教員養成講座”の一講座ともなります。


 ■ オイリュトミー

シュタイナー教育では"魂の体操"といわれるオイリュトミー。個人で、他者と、又はグループで動くことを通して心と体のあり方や、個と全体の関わりなどを体験します。

 ■ 講義

シュタイナー教育の基本となるルドルフ・シュタイナーの人間観・世界観の基礎を、文献を通して講義形式で学びます。また、ディスカッションの時間を設け、積極的に疑問や質問、自らの思いを講座で共有し、机上の学びでなく自らのこころが通う学びを目指します。

シュタイナー教育の基本文献である「教育の基礎となる一般人間学」 を講座終了後も受講者自身で読み深めていけることを二年間の目標とします。

 ■ セミナー

シュタイナー教育の実践に向けての教授法とその背景にある考えを、現場に立つ教師たちから学びます。また、シュタイナー教育の中で、子ども達が体験するエポック授業・手仕事等を実際に体験し、教育芸術としてのシュタイナー教育を学んでいきます。

 ■ 聴く体験と観る体験

本講座の特色として、聴くこと、観ることを継続的に体験し、教師の自己教育としての基盤となる聴く力、観る力を育むことを目的のひとつとしています。

響きの楽器の体験で感覚を磨き、自然観察・水彩・フォルメン線描などを通して自らの感覚を広げます。